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自主研究

 当協会では、研究部会において取り上げられている研究テーマ以外にも、様々な問題・課題を多角的に検討するために自主的な研究会を組織し、基礎的な調査・研究活動を行っています。


研究中のテーマ


  BRTシステムに関する研究
活動概要

 欧州等都市交通の先進諸国においては、都市内の基幹公共交通軸や都市内交通ネットワークの要としてバス交通が見直されてきており、バス交通をベースとした新たなシステムの導入や既存ネットワークの再編、施設の高質化等の取組みが急速に進みつつあります。

 特に、BRT(Bus Rapid Transit:バス・ラピッド・トランジット)やBHLS(Bus with a high level of service)といった新たなシステムは、LRT(Light Rail Transit:ライトレールトランジット)に比肩する都市内中量輸送システムとして、定時性、速達性、高頻度運行等を実現し、利用者の視点に立った利便性や快適性を兼備した質の高いシステム構成が可能であり、何よりも、比較的低廉な建設コストにより費用対効果が高く、都市整備にあわせた路線の改変や延長が容易であることが大きな特徴です。

 新たな時代の都市を展望するにあたって、新しい技術や理念を取り入れたこれらバス交通システムは、都市のモビリティの向上に顕著に貢献できるものであり、欠くことのできない重要な都市機能を担うものと捉えていることから、これら新たなバス交通システムについて包括的に研究をおこないます。

2020期の研究・活動テーマ]
 1.わが国のバス交通高度化、高質化の提案
 2.バリアレス縁石の普及促進のためのアプローチ

[具体的な活動概要]
 2018年度より、BRTシステム研究会を開催し、横浜国立大学の中村文彦副学長・教授の座長のもと当ジャンルに関連する社員企業及びバス事業者、国土交通省、地方公共団体等の皆様とともに研究を進めているところです。

◆◇ TOPIC ◇◆

調査研究内容  「わが国におけるバス交通の高度化、高質化について」(仮題)の提案、発出を予定しています。

  ストリート再編に関する総合的研究
活動概要
 都市を構成する要素の一つであるストリートは、これまで車中心の空間を形成してきましたが、これかは人中心のウォーカブルな空間へと転換していく取組みが求められています。
 人中心の空間にすることは、①人々が安全・快適に滞在できる空間の確保、②沿道商業の売上げ上昇、地価の向上、③子どもが安心して遊び、過ごすことのできる場の創出、④災害時の一時避難場所や避難経路の確保、⑤人と人との繋がりの構築等を通じたインクルーシブな社会(社会的包摂)の実現などの多面的な効果を有します。
 これら取組みの日本国内への更なる普及と展開に向け、国外も含む先進事例の分析や文献の収集等により、ウォーカブルな都市空間づくりを実現していくためのスキームや手法に関する各種調査研究を行っています。
調査研究内容
(1)ウォーカブルな都市空間の形成に関する研究
  ・ウォーカブルな都市空間整備の動向整理
  ・ウォーカブルな都市空間づくりの実現に向けたステップと検討項目
  ・ウォーカブルな都市空間づくりのケーススタディ
(2)海外におけるウォーカブルな都市空間に関する研究
  ・海外事例(各国の制度、ガイドライン等)の情報収集・整理
  ・調査団派遣企画
(3)アフターコロナ時代の街路空間の考え方
   
  葺合南54号線(神戸市)      タイムズスクエア(ニューヨーク市)

 
新たなモビリティ創出に関する研究
活動概要

 高齢化や人口減少によるドライバーなどの担い手不足が懸念される中、自動運転等の新技術の社会実装への期待が高まっているとともに、近年では超小型の交通システムに関する技術開発の進展や、シェアリングなど新たなモビリティ確保の形態が広がりをみせています。
 これら移動に関する新たな技術等による都市交通分野における社会的課題の解決に向け、その適用可能性や課題を明らかにすべく調査研究を行っています。

調査研究内容

 (1) 自動運転、スローモビリティの導入可能性に関する研究
 (2) シェアリングモビリティ、マイクロモビリティなど新たなモビリティの導入効果に関する研究

など

      

(左から)自動運転の実証実験(ルクセンブルク) 、サイクルハイヤーの分析動画(ロンドン)、マイクロモビリティの導入(バンコク)

 

公共主導によるJTPAMaaSの実現に向けた課題検討に関する研究

活動概要

 現在、民間主体で進められているMaaSの動向を踏まえつつ、都市圏ごとの一体的な公共交通の管理・運営、財源の運用も含めた持続可能な事業体の設立を模索する必要性、さらには民間事業者の自主的な連携に任せるのではなく、公共が主体的にMaaSを活用し、交通をマネジメントしていくことが理想ではないかと考えています。
 本研究では、地域の公共交通を公共が戦略性を持ってMaaSを活用し、地域の移動に関するデータを公共が一括管理することにより、実態に合わせたサービスの提供のみならず、多様な展開が可能であると考えることから、公共が主体になり都市圏の公共交通を担うことにより、従前からの公共交通の課題を解決し、公益の最大化を図ることを目指し、公共主導のMaaSのあり方について調査研究を行っています。

調査研究内容
  ・関係機関ヒアリング
  ・課題、あり方の深度
  ・勉強会の設置

  今後の交通結節点等の整備のあり方に関する自主研究
活動概要

 交通結節点等の整備は、鉄道事業者との協議調整が大きなポイントであるが、自治体の多くがノウハウ不足のためうまく対応できず、利用者視点の計画立案、適切な事業規模での整備が実現できていない状況が見受けられる。

 そのため本研究では、短中期の計画論的視点にたった駅前広場の再構築のあり方について研究するとともに、各地方整備局と連携し、交通結節点整備の計画立案や事業化に向けて課題を抱えている自治体に向けて交通結節点等の基本的なルールから鉄道事業者との調整に際しての留意点等について、講習会等を実施することで、今後の交通結節点等の整備のあり方を示すとともに適切な事業実施を支援することを目的とする。

調査研究内容
  ・交通結節点等の整備に関する課題等の把握整理
  ・今後の交通結節点等の整備のあり方に関する検討
  ・学識経験者、中央大学研究開発機構との意見交換
  ・地方整備局等の講習会支援

  都市交通分野におけるスマートシティ研究
活動概要
 都市交通分野でのスマートシティの展開可能性を把握するため、国内外の動向や民間技術などについての情報収集・今後の展開可能性の分析を行っています。
調査研究内容
 (1) 国内外の取組み事例に関する情報収集
 (2) 都市交通分野への適用可能性の分析

など


  地域公共交通活性化・再生法の改正に基づく地域公共交通の取組みの方向性に関する準備調査
活動概要
 今後の公共団体等の地域公共交通ネットワーク整備のあり方検討のため、データ 収集やそれに基づく方向性・可能性検討を行っています。
調査研究内容
 (1) 地域公共交通活性化再生法の改正に伴う施策等動向調査など
 (2) 各公共団体等の地域公共交通計画に関する取組み状況等情報収集など
 (3)今後の展開の可能性検討

過去に扱ったテーマ

  地区交通研究会
活動概要

[実施時期] 
~1987年
2005~2006年
2012~2013年

[目的] 
 我が国における地区交通の本格的な取り組みは、1950年代後半の大規模ニュータウン開発で歩車分離のコンセプトによって地区内道路整備が実現されたことにはじまり、既成市街地においても幹線道路の整備がすすむにつれ、地区道路の交通負荷の軽減、地区内への通過交通の進入を抑制するなどの施策が、主に交通規制と道路整備の2つの観点から講じられてきた。特に道路整備面では、昭和50年に居住環境整備街路事業が創設されて以降、歴みち・シンボルロード、コミュニティ道路、総合都市交通施設整備事業等の事業メニューを活用した地区内道路整備がすすめられてきた。
 しかしながら、特に21世紀に入り社会・経済情勢の変化やそれに伴う人々の生活行動パターンが変化し、また、都市部の商業地区などの様相も大きく変遷していく中で、あらためて現状に即した、地区交通の取り組みを見つめ直す時期が来ているといえる。
 こうした状況を見据え、特に地区内道路整備のあり方や地区交通コントロールの手法などについて具体的テーマ設定をおこない、専門家と国土交通行政を担う技術者による自由討論形式による勉強会を積み重ね、制度改善を目指すレベルで研究を重ねていこうとするものであり、あわせて技術者の資質向上を図ることを目的とする。
(2005年地区交通研究会企画より)

[研究成果]
<~1987年度>
・「みち まち アメニティ -地区交通計画の考え方と実践―」
 (監修 建設省都市局都市交通調査室)の出版
※絶版により現在は販売しておりません。


<2005~2006年度>
・社会資本整備審議会(第二次答申)への反映
 「集約型都市構造の実現に向けて ―都市交通施策と市街地整備施策の戦略的展開-」
・国土交通省都市・地域総合交通戦略制度の創設に向けた支援
(国土交通省パンフレット表紙)


<2012~2013年度>
・研究報告「歩いて暮らせるまちづくりの戦略 ―地区交通からのアプローチ―」のとりまとめ
 本研究で提案した「歩行者環境区」の考え方が、都市再生特別措置法の一部改正による「滞在快適性等向上区域(まちなかウォーカブル区域」の設定として実現されることとなりました。


  道路交通適正化のための公共交通利用促進に関する研究会
活動概要
 近年の都市内交通においては、地球環境負荷の軽減、高齢社会に対応したユニバーサルデザインの導入、行政コストを軽減する効率の良いコンパクトなまちづくり、中心市街地の活性化などの観点からLRTをはじめとする公共交通機関に対する期待が高まりつつあります。都市内の道路交通の円滑化を図っていくためには、LRT等の公共交通機関の速達性、利便性を向上させ、利用者にとって快適で魅力的な交通機関とすることにより、自動車からの利用転換を図っていくことが課題となっています。
 そのため、高度なLRT優先信号システム、公共交通情報提供システム、乗り継ぎ円滑化システムなどの情報技術を活用した新たなシステムの開発及び改良を行い、公共交通機関の利用促進に資することを目的として調査研究を行っています。

  都市内軌道システムの整備効果に関する研究会
活動概要
 2005年度から、LRT・都市モノレール等の都市内軌道系公共交通の整備を対象に、総合的な観点からシステム特性を反映した効果把握手法を検討し、ケーススタディでの費用便益の検証を行い整備効果に関するマニュアル案策定に向けた検討を行っています。
調査研究内容
  ・システム特性を反映した効果把握手法、費用便益の検討
  ・ケーススタディ地区での費用便益の検証
  ・整備効果マニュアル(素案)の検討

  BRTシステム研究会
活動概要

[実施時期]
2008年度
2017年度~ (継続中)

[目的] 
 近年、都市内交通システムのひとつとしてBRTが注目されてきている。BRTとは、「専用走行空間を有し、一般自動車交通と共存して運行する、通常の路線バスよりも高速に運行し、都市あるいは都市圏内の幹線的な交通システムの役割を担っているバスシステム」(横浜国大中村教授)と定義づけられているもので、今後、わが国においても新交通システムやLRTと並んで、基幹的な都市交通システムに位置づけられる可能性を有しており、国土交通省においても、都市・地域整備局等ですでに所管の制度や重点施策に掲げられてきている。
 BRTはこれら交通システムの中では、整備コストが低いことや既存のバス交通を発展的に転換することができることなどから、パイオニア的なブラジル・クリチバをはじめ、南北米、欧州、東アジアなど世界各都市で導入がすすんでおり、現在すでに40都市以上で運用され、今後もかなりの数の都市で導入されるという情報が入手されてきている。
 これまで都市交通計画全般及び都市交通システムの導入に取り組んできた協会の役割を鑑みて、わが国においても導入検討がすすみつつあるBRTシステムについて網羅的に研究をすすめ、また、諸外国等のBRTに関連する情報を収集しデータベース構築を図ることなどにより、今後BRTの導入実現をめざす諸都市の支援・協力をおこなっていくことが重要であると認識し、研究活動をすすめていくものである。
(2008年集約型都市構造の実現に向けたBRTの導入に関する検討研究会企画より)

 

[研究成果] 
 <~2008年度>
・研究テーマ
1.世界のBRTシステムの動向
2.BRTの定義について
3.BRT導入の課題
4.BRTの導入推進に関する研究
5.日本式BRTシステムの研究

 <2017年度~>
・研究テーマ
1.バリアレス縁石の開発と普及に向けた取組み
2.諸外国におけるバス交通の先進事例の研究
3.わが国における(都市内交通としての)バス交通の機能・魅力向上に向けた課題と改善の方向性
4.わが国のバス交通の高度化・高質化に関する研究

 
 
交通結節点の整備・管理運営に係る費用負担に関する研究会
活動概要
 交通結節点の整備、管理運営等に係る都市側と鉄道側との費用負担、協議調整等の様々な状況を把握するとともに、今後の交通結節点における費用負担、事業推進、維持管理等に係る望ましい官民連携のあり方、ならびに円滑な協議調整を進めるための方策について調査研究を行っています。
調査研究内容
  ・交通結節点の整備・管理に係る費用負担等に関する既存制度の整理
  ・交通結節点の整備に係る費用負担等の現状認識と考え方の検討
  ・費用負担等の考え方についての検証/ケーススタディ
  ・費用負担等の今後のあり方
    

  連続立体交差事業等とまちづくりとの連携、事業推進方策に関する研究会
活動概要
 連続立体交差事業等は、地域分断の解消などにより都市構造を大きく変革する契機となる事業であり、当該事業の実施にあたっては、沿線市街地におけるまちづくりと一体となりまちづくりに大きく寄与する取り組みが求められています。そのため、各地における好事例を収集、分析し、まちづくり・地域づくりとの連携のあり方、整備効果について検討を行うとともに、連続立体交差事業等の事業推進方策について検討を行っています。
調査研究内容
  ・連続立体交差事業等と連携したまちづくりの取り組みに係る課題整理
  ・まちづくりにおける先進事例の収集、分析
  ・連続立体交差事業等とまちづくりの連携のあり方
  ・連続立体交差事業等の事業推進方策の検討